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みんなの居場所かいぎ 3

みんなのIBASYOプロジェクト」は、みんなが当たり前に地域で過ごせるように、東成区において様々な取り組みをされています。

 

今回は「防災」を切り口に、子ども・障がい者・高齢者・アレルギー患者・多文化共生の視点を取り入れながら、講座&調理実演&試食&座談会が行われました。

 

まずは代表の竹村朋子さんより活動への思いを伝えていただきました。

 

朋子さんの大切にされていることは、

「小さな取り組みをコツコツと積み上げて、しっかりと地域に広げていく。

そのためにまずは実行」です。

 

ほくせつ親子防災部からは、昨年の大阪北部地震・台風21号を通して、

わたしたちが実際に経験したこと・次の災害に対して取り組んでいることをお伝えさせていただきました。


そして、今回のメイン。

大阪市従業員労働組合の川越勝代さんの思いは、

 

「日常の延長にあるのが非日常。

私たちが日常で当たり前にやっていることは、他の人にとっての当たり前ではないことに気づいた。
私たちの知識や技能を伝えることによって、何かお役に立てると思う。
私たちをぜひ、活用してほしい」

大阪市職員として保育所で調理員をしているプロとして、

私たちに技能を伝えてくださるために、普段されているお仕事を実演&講義してくださいました。

今回のメニューは、野菜だしでつくった豚汁でした。

 

こうじみそ、豚肉、にんじん、ねぎ、白菜が材料です。

 

普段のお仕事で大豆アレルギーの方がいらっしゃる時は調味料の配慮をされるし、

宗教上ハラール食が必要な方には別途食材に配慮されているそうです。

 

野菜だしは、魚介アレルギーの方も食べることが出来ます。
宗教上、菜食主義の方も野菜だしなら大丈夫です。

(今回は豚肉を使っていますが、もし宗教上食べられない方がいらっしゃったら具も要配慮)

 

食物アレルギーのある方は、アレルゲンが付着している調理器具を使っただけで症状の出る方もいらっしゃるので、

まずはシンクや調理器具をしっかりと洗います。

 

使った食材は調理する前に、50グラムずつ分けて15日間冷凍保管しておきます。

食中毒が起きた時のためです。

 

調理が終わって出来上がったものも、もちろん保存です。

 

調理は少し目を離したら、あっという間に終わっていました。

あまりの速さに、驚きました(;^ω^)

食物アレルギーや宗教上の理由に配慮しながらも栄養を考え、

かつ、美味しく安全なご飯を毎日調理する…

 

大変なお仕事を、楽しみながらされているお姿を間近で拝見させていただき感激でした!

 

竹村さんは、携帯コンロ&無洗米で炊くご飯の調理方法を教えてくれました。

2合ずつパックされた無洗米を使いました。

無洗米なので水を入れて炊くだけです。

 

ライフラインが止まった時のために、備えておくと安心です。

 

その他にもいろいろと備蓄を試食してみました。

「非常食から日常食へ」

缶詰の概念を変える黒潮町缶詰製作所さんの思いの詰まった商品です。

 

とても美味しかったです!
レストランの味でした!

 

JA北大阪さん 「飲めるごはん」

打合せの段階から「試してみたかった!」と皆さん楽しみにしてくださっていました。

「甘味を一番に感じる&ご飯の触感が残っているので、災害時に甘いものがほしくなった時に水分も取れるしちょうどいい。何より美味しい!」

と、大好評でした(#^^#)

 

明治さん 「液体ミルク」

この日は地域のイベントが目白押しだったのですが、大阪府議会議員の徳永しんいちさんが来てくださったので、

早速試していただきました。

 

「液体ミルクが発売されたのは知っているけれど、試してみたことがない」

そんな人が多いので、まずは試してみてください(#^^#)

 

「アルファ化米の調理はしたことがない」という方もいらっしゃったので、

調理&試食もしてもらいました。

今回は「梅がゆ」です。

入れ替わり立ち替わり、地域の方が来てくださり、

みんなでわいわいとお喋りしながら「これ、いいね!」「こういうこと、大事だね!」「こうしたら、いいよ!」と、

気付きを得ながら、知識をシェアしていく時間がとても楽しかったです。

 

災害のたびに言われる言葉。

「対策を行う」「対策を行った」

 

報告はたった一言で済む話ですが、そのために実際に動いているのは現場の人たちです。

 

現場の人たちのプロとしての思いと、知識と技能があるからこそ対策が出来ます。

 

思いがあっても知識と技能がなければ足を引っ張るだけです。

 

思い×知識×技能を兼ね備えた現場職員さんがいかに日常を支えてくださっているか…思い知らされた一日でした。

 

大きな組織になると、組織の人間同士の顔が見えずに、

一人の意見がまるで全体の意見のように捉えられることもありますが、

顔の見えるお付き合いをすること、どういうお仕事をされているのかを実際に見て・知ることの大切さを学びました。

 

大阪北部地震のあと、災害対応に走った茨木市の現場の人たちで行われた総括シンポジウムでも、

登壇者が同じことを言っていました。

 

「日頃のお付き合いが一番大事。

日頃、当たり前に助け合っているから、いざという時も助け合える」

 

地域にどんな人がいて、どんな事情を抱えていて、どういう配慮が必要なのか。
知らなければ対策も出来ないし、適切な知識がないと間違った対応をしてしまう恐れがあります。

 

一言に「支援」と言っても、どういう事が出来るのか、お互いのことを知らないと支援にも結びつきません。

地域の中でコツコツとお互いを知り合うきっかけをつくってくださっている、

「みんなのIBASYOプロジェクト」のような取り組みが、各地に広がりますように♥